隠れ家的レストランモレーナのインドカレーと世界を放浪したマスターの旅

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ポプラ通信2022.6.25(モレーナ発 栗岩英彦) 

 

ルバーブの花
ルバーブの花 (撮影 ogatako)

6月25日(土) ハレ 雨(夕立) +30℃
早朝、草取りをする。
そのあと野外テーブルで朝食(ピザトースト&コーヒー)、犬とネコも足元の芝生の上で私を見てる。庭ではボタンの大きな紅い花、ルバーブのクリーム色の花、ブラックベリーの白い花、コンフリーやアスターの紫の花が風にゆれている。
モレーナガーデンのインゲン豆やオニオン、ネギ、ズッキーニ、トマトはすくすく伸びている(不耕起栽培)。周囲に広がる牧草畑はすっかり草が伸びてそろそろ大型トラクターによる刈り入れが始まる。
 コロナパンデミックも終息に近づき、住民の顔にも明るさが戻ってきた。14世紀モンゴルの軍が運んだペスト(線ペスト)はもっと強烈で、ヨーロッパでは人口の3分の1、アラブで3分の1、中国で3分の2の人間が死亡したという。発祥地は中国の雲南地方で、当地の風土病であったと私は学生時代に読んだ歴史の本に書かれてあったのを思い出す。
 この人類の大量死はその後の世界史をすっかり変えてしまった。ペストの特効薬はスパイスと信じられ、それらを産するインドや東南アジアへの関心が俄かに高まり、それが15~18世紀にわたる大航海時代のきっかけとなったのだ。ペストは大きな災いであったが、同時に世界を大きくゆり動かす力であった。パンデミックは歴史動かす力を持っているのでコロナが今回のウクライナ・ロシア戦や日本の右傾化、世界の急速なデジタル化(収斂化)と無関係ではないと思う。
今、私は虫歯で歯が痛く悩んでいるが、戦禍で焼かれ逃げ回っているウクライナの人々の事を思えば、全く小さな取るに足りない痛みでしかない。

6月26日(月)くもり晴れ 定休日
 トオちゃん、MOMO、MOMOママと一緒に和寒のすごい山奥にある「カクレ(覚礼)・カフェ」に行く。田園地帯を走って昼に着き食事。紙の箱に詰めた覚礼のママ手作りのモーニングはgood!(予約が必要)。手作り丸太小屋の前に美しい池があって、静かで心が休まり良かった。
 犬のマリオもママにジャーキーをもらって大喜び。明るいママは気さく。私と同じように東京から移住してきた。この土地がダンナの故郷だからと言う。私の本が置いてあったのでビックリ。また来たくなる店だったが、それを維持する苦労が私にはよくわかった。冬用の薪が山と積んであった。
 15時に出発。店の前で皆と別れて和寒の駅まで出て、それから国道40号線をずっと走り、名寄のベストホームで筆と刷毛、ペンキ、針金(16番)、食品などを買ってから雨模様の下川へ帰る。モレーナに着いたのは18時近かった。
 ここのところ歯が痛くてまいる。トオちゃんは花粉症だ。看板と小屋のリニューアルのためペンキを何色か購入したが、日本は欧米に比べ需要が少ないためか高い。(ペンキ代9,000円なり)壁にペンキを塗る文化がないためだと思う。あちらでは日本の半分以下の値段で売っている。

 6月27日(火)晴れ、くもり、雨
 いよいよモレーナの隣の草地で浄水場建設の工事が始まった。ユンボやトラックの音がうるさい。モレーナの入り口から30メートル先の放牧地橋の工事も始まる。(下川、幌内線)全て終わるのに1年半から2年かかる予定。
 モレーナ周辺はこの30年変わらなかったが、これで激変するだろう。(モレーナの営業はこれからも続ける)私はその事に対する気持ちの落ち込みから最近やっと立ち直って前へ進もうという気持ちが出てきた。人生、思うように行かない。なるようにしかならないけれど、人間はベストを尽くして生きる事が大切と思う。(完)

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